小平神明幼稚園 おやじの会
「孤育て」という言葉をご存知でしょうか?
「孤独、孤立」と「子育て」を合わせた言葉で、相談できる人や頼れる人がまわりにいない「孤独な子育て」のことを指します。
この言葉は主にお母さんに対して使われる事が多いかと思いますが、お父さんにも当てはまると思いませんか?
子どもの成長に伴って環境や人間関係が変わっていくお母さんに対して、お父さんは自分から行動を起こさないとあまり変化がない人が多いのではないでしょうか。
近年、「パパサークル」と呼ばれる団体も増えてきたようですが、今回はその中でも10年以上の歴史を持つ「小平神明幼稚園 おやじの会」をご紹介します。
お父さんも繋がりを持とう
「小平神明幼稚園 おやじの会」の発足は2001年の秋。
お母さん同士の繋がりが強くなる園生活の中で「お父さん同士も繋がりを持とう!」ということがきっかけだそうです。まずは「何をするか」ではなく「何ができるか」を考えて、秋のバザーで「手打ちうどん」を作って販売しました。それがすっかり定着し、15年経った現在にも受け継がれています。
取材に伺ったのは、そのバザーで販売するための「手打ちうどん講習会」1回目が行われた日。バザー当日までに講習会を2回開催するそうです。14名の「おやじ」達が集まっていました。子どもたちも一緒に来ていて、大きい子から小さい子まで仲良く楽しそうです。お父さんを手伝う子もいて、高学年のお姉さんになるともう慣れた手付きでお上手!「私、7年目だから」とのことでした。
床にシートを敷いたり器具を準備したり、片隅では小麦粉を1人分ずつ計量していたり、調理場では出汁の準備をしていたりと、とにかく皆さん手際とチームワークが良くて驚きました。それもそのはず。お子さんが2人以上いるご家庭では、上の子が卒園しても入れ替わりで下の子が入園して、足掛け6年在籍するお父さんも珍しくないのです。そんなお父さんはもううどん作りは慣れたもの。中には材料の分量まで覚えている方もいました。ベテランお父さんの中に初めてのお父さんもいて、一緒に作業をするうちに打ち解けていきます。こうやって様々な事が受け継がれていくんだろうな、と思いました。
生地を寝かせているタイミングで、現会長である小林央周さんにお話しを聞いてみました。
ーおやじの会に参加して、変わった事はありますか?
小林さん:自分自身が変わった事というのはあまりないかもしれないですけど、幼稚園での子どもの生活が耳に届くようにはなりました。おやじの会に入っているから、おやじ経由でもいろいろな情報が入ってきますし、もちろんママ友から、妻を通しても入ってきますし。それを総括して自分の情報になるので、幼稚園での子どもの生活が想像というか、見えるようになってきたというのはありますね。
ー活動していて大変な事はありますか?
小林さん:そうですね…大変な事…。子どもと一緒に土日を過ごすのは同じなんですけど、全体を見ないといけないというか。おやじの会に入って、自分の子どもだけを見てるわけにいかないので、他の子ども達も見ながら自分の子どもも見ないといけないというのは大変かな、と思います。まぁでも、大変な事って言われてパッと出てくるほど大変な事っていうのはそんなにないです。
会長ともなると、女性だったら「みんなをまとめるのが大変」とか「イベント毎の準備が大変」とかいろいろな悩みが出てきそうですが、小林さんは「大変な事はない」と言います。何を大変と感じるのか、女性と男性では違うようですね。勉強になりました。
講習会も終盤に差し掛かる頃、試食用のうどんが出来上がりました。
「子ども達から先に食べてねー」
ずっと遊んでいた子ども達、お腹が空いていたんでしょうね。あっという間に行列ができました。
私もいただきましたが、さすが手打ち。コシが強くて美味しいです。偏食が激しい5歳の息子もお代わりをしていました。
さらに今年は新たにトッピングも考えているそうで、この日はお肉とお揚げが用意されていました。「肉うどん」と「きつねうどん」ですね。
それにおつゆもおいしい!これはおやじの会秘伝の出汁だそうで、これを楽しみにしているお客さまもいるのだとか。
みんなでうどんを食べ、日が暮れ始めた頃には後片付けも始まり、辺りがすっかり暗くなる頃に終了となりました。この後で場所を変えて飲み会になることもあるそうですが、この日はこれでお開きに。
お父さんが楽しむために
これまでも何度かおやじの会の行事に参加させてもらっていましたが、今回改めて取材してみて、子どもはもちろんですが誰よりもお父さん達自身が楽しそうにしているのが印象的でした。
お父さんって、住んでいる所から離れた場所で働いている方が多いので、近所での知り合いや友人がなかなか出来なかったりしませんか?
定年退職後に地元のことが全くわからずに困ったという話しをよく聞きます。
でも子どもが小さいうちから積極的に地元での関わりを持っておけば、子育てもしやすくなるだろうし、何よりもお父さんの毎日がより楽しくなるんじゃないかな、と思います。
「小平神明幼稚園 おやじの会」のモットーは「子どもも楽しく、おやじも楽しく、奥様はお気楽に」です。うちの主人はおやじの会2年目で、私は「奥様」の立場ですが、確かにお気楽に参加しています。
こういったお父さん向けの集まりが市内には他にもたくさんあるようなので、もしご興味を持たれたらぜひ参加してみてはいかがでしょうか。
最後に、今回ご紹介したおやじの会の手打ちうどんは、11月19日(土)に神明幼稚園で開催されるバザー展で1杯200円で販売されます。前日の夜から生地を仕込み、当日は早朝から集まって販売に臨みます。お父さん達の渾身の手打ちうどん、ぜひ食べに行ってみて下さいね。
詳細情報
名称 | 小平神明幼稚園 おやじの会 ホームページ |
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地図 | |
住所 | 〒187-0032 東京都小平市小川町1-2572 |
電話番号 | 042-341-0938 |
FAX番号 | 042-341-1586 |
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