【この子は育てにくい、と思っても大丈夫】
~子どもの発達についての参考図書ご紹介~
「あれ?私、静かにしていられるよ」
子どもの頃、授業中にじっとしていられなかったというAさん。
小学校高学年になったある日、ふと、自分が、教室の席に座ったまま、
黙って授業を受けていることに気がついたそうです。
現在のAさんは、ステキな大人の女性です。
ユニークな発想と巧みな話術で、お仕事を颯爽とこなし、
ご家庭では二人の息子さんのお母さんとして活躍されています。
そんなAさんも、ご自身が小学校低学年の頃は、学校生活がとてもつらかったそうです。
—じっと座っていられない
—授業中に無意識にハミングしてしまう
そして、担任の先生に怒られる……
自分では止められない自分の動きのために、
『あなたは悪い子』というレッテルを貼られてしまう。
—小さな子どもにとっては、とても厳しい現実です。
それでも、Aさんが、小学校に通い続けることが出来たのは、
お母様とご兄弟のおかげだとAさんは言います。
Aさんのお母様は、
「大丈夫。Aは良い子だよ。もう少し成長すると、自分で自分をコントロールできるようになるからね。」
と言って、そのままのAさんを受け入れてくれたそうです。
また、Aさんのご兄弟たちも
「Aのことを変って言う人が、変なんだよ」と言って、
どんな時も、末っ子のAさんの味方になってくれました。
ご家庭での温かい支えがあって、学校生活を送るうちに、
いつのまにかAさんは、冒頭のように、
静かに授業を受けられるようになっていったのです。
「この子は育てにくい?!」
今、お母さんが『育てにくい』と感じる子どもが増えてきているそうです。
『育てにくさ』も、集団行動が苦手、言葉が遅い、じっとしていられない、
お友達と仲良く遊べない、先生の話が聞けない……など様々です。
これらは、子どもが保育園・幼稚園に入園した後や、小学校に入学後、
同じ年齢の子どもたちと、集団で行動をするようになると、
—ほかの子どもたちに出来て、わが子が出来ないことがある—
—わが子の特性や気質が、ほかの子どもと違うようだ— など、
くらべる対象がいるために、
お母さんたちは、『違い』が気になってしまい、心配してしまうのです。
実際、Aさんのお母様も、本当はAさんのことをすごく心配していたそうです。
そこで、親交のあった幼稚園の園長先生にご相談をされました。
すると園長先生は、ご自身の長い保育経験から、
「お年頃になると落ち着くものよ。安心して育てなさい」と教えてくださったそうです。
その言葉をお守りに、Aさんのお母様はAさんを信じて育てることが出来たのです。
「あなたは、頑張っているよ」
子育てによく効くお守りがあると、お母さんは心強いです。
身近なところでは、物知りな先輩ママに相談して、
「大丈夫だよ。」って言われると安心できたりします。
でも、わが子の発達が気になっていて、それがどのようなものか理解した上で、
育てたいと考えたときに、まず、お守りとしてお勧めしたいのが、
星山麻木先生の【この子は育てにくい、と思っても大丈夫】という本です。
著者の星山先生は、明星大学の教授で、療育や特別支援教育を数多く実践されています。
以前、私は、星山先生の子育てに関する講演をお聞きする機会がありました。
星山先生は、小柄でとても可愛らしい女性です。
リズミカルな口調で、楽しくお話を進めながら、
受講者を勇気づけ、励ましてくださる素敵なパワーをお持ちの方でした。
講演の中で、先生は、発達支援が必要な子どもたちを七色で表現されます。
正義の味方レッド君、あわてんぼうのオレンジ君、動くの大好きイエロー君……。
発達支援が必要な子どもとお母さんの気持ちに寄り添った、心優しい、分かりやすい説明でした。
そして、会場のすべてのお母さんに語りかけます。
「子どもだけでなく、子育てを頑張っているお母さんにもサポートが必要です」
「お母さん同士が、互いに支えあい、つながりを持つことで、みんなが幸せを感じられるようになります」
「お母さん。あなたは、本当によく頑張っているよって自分自身に言ってあげましょう」
先生の言葉は、真っすぐに、お母さんたちの心に届きます。
涙をぬぐう人も少なくありませんでした。
感銘を受けた私も、いつも、手元に先生の言葉を置いておきたいと、
先生の著書【この子は育てにくい、と思っても大丈夫】をネット書店で求めました。
今、この本は、私の子育ての大切なお守りのひとつです。
「わが子を信じて、認めてあげるために」
【この子は育てにくい、と思っても大丈夫】の内容を一部、ご紹介すると
—子どもの脳の発達のこと
—子どもをサポートする方法
—赤ちゃんの頃からの自尊感情の育て方
—育てにくいのは、どうしてなのか?
—どのように発達支援を受けたらよいのか?
—発達障がいの診断って?など
専門的な事が、わかりやすく解説されています。
発達支援についてだけでなく、一般的な子育ての内容としても、
学ぶことが多い本です。
子育ての参考書として、ぜひ、お母さんたちに読んでいただきたい1冊です。
読み終わったとき、きっと、あなたの『お守り』が胸の中にあると思います。
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