?商店街の定食屋さん?

一橋学園駅北口から始まる学園坂商店街を坂下に向かって歩いていくと、
左側にかわいらしい建物が現れます。
白い壁に大きな窓、木の扉。
女性のためのコワーキングスペース「すだち」です。
月曜日になると、ある看板が現れます。

「SAiWAi」と書いてあります。
扉を開けると奥から「いらっしゃいませ〜」と優しい声が。
白い割烹着にピンクの三角巾がトレードマーク、
すだち1dayキッチン月曜日担当、「SAiWAi」店主の舛田幸代（ますださちよ）さんです。

月曜日の12:00~14:00のランチタイムに
家庭料理をコンセプトとした定食屋さんを開いています。
実は彼女とは中学時代の同級生の私。
いろいろとお話を聞いてみました。

?「SAiWAi」オープンまでの道?

もともとご両親がお店を経営されていたこともあって
「いつかお店をやりたい」
と思い続け、必要な資格を独身時代から取得して準備していたそうです。
しかし良いご縁があり結婚し、出産、子育ての日々に突入。

「お店はいつでもできるなぁと思って。目の前のことに必死でした。」

男の子3人のお母さんになり、末っ子くんが小学校に上がってひと段落した頃、
「お店をやりたい」という夢がムクムクと蘇ってきました。
お母さまや家族の後押しもあり、やってみようと決めたものの1人では不安…
と悩んでいた頃に小平市報で「すだちキッチン」の募集記事を見つけます。

「私、けっこう無計画に動くことが多いんですよ。とりあえず動いて、後から周りを整える。すだちキッチンも、何かの縁かも、と思って何も考えずに応募しました（笑）」

将来的には居酒屋を開きたいという舛田さん。
すだちキッチンでは居酒屋はできません。さてどんな料理を出そう？と悩みます。
オシャレなカフェのようなメニューも考えたそうですが…
「今の自分ができる最善の事をしようと思ったら、お母さんが作るような家庭料理になりました。」

取材に伺った日のメニューは

?ハヤシライス
?コールスローサラダ
?緑黄色野菜のスープ
?チョコレートテリーヌ

確かに、お家でも作れそうなメニューでした。

しかし！彼女の作る料理は真似できそうでできないのです。
実際私は、プレオープンの時にいただいた「飛竜頭（ひろうす）」を家で再現しようとしたんですができませんでした。
使っている食材が違うのか、油の温度なのか、結局わかりませんでしたが。

食べてみて気になったメニューは、どんどん直接聞いてみてください。
今回聞いたのは「緑黄色野菜のスープ」
オレンジ色だったのでかぼちゃのスープかと思いきや、かぼちゃの味はしない…
いろいろな野菜とトマトを入れているとのことでした。

「昔、あるメーカーで出してた缶の野菜スープが大好きで。もうそれはなくなっちゃったんだけど、今日のスープはそれを再現してみたの」

自分が「おいしい！」と思う物を追い求めて研究しながら、日々料理をしているという舛田さん。
特に力を入れているのが「テリーヌ」。
「テリーヌ=ワイン」のイメージが強いですが
普段の料理に取り入れられるようなものを開発中だそうです。

?お母さんとして?

現在、中1、小5、小3、の3人の男の子のお母さんでもある舛田さん。
ご家庭とすだちキッチンの両立は大変そうに見えますが…

「夫は協力してくれています。荷物を運んでくれたり、子ども達の習い事に付き添ってくれたり。子どもたちは、喜んではいるけど特に手伝ってはくれないです（笑）でも長男の夢は料理人なので、修行を積んでいつか一緒にお店を開けたらいいですね。家庭との両立としては、キッチンで残った食材をその日の夕飯にまわせるように工夫している、かな。」

盛況で売り切れてしまった日は、子ども達にがっかりされることもあるとか。

最後に、子育て中のお母さん達に向けて一言お願いしました。

「子育ては大事だけど、自分の時間や楽しみも時々入れて、ほどよく力を抜いてほしいです。一生懸命やり過ぎると息が詰まるから。
もしも何かやりたいと思ったら、たった今、この瞬間が1番若い。だからどうせなら早いうちに動いた方がいいと思います。」

舛田さんの夢は居酒屋さんを開くこと。
お惣菜の販売などもして、主婦の方が夕方お惣菜を買いに来たついでに一杯呑めて、そこに行けば必ず誰かがいる、というお店を作りたいそうです。

…なんて楽しそうなお店！
親子で開店できる日も、そう遠くないかもしれません。

家族のために愛情を込めて作るごはん。
「SAiWAi」さんではそんなごはんをいただけます。
夕御飯の献立のヒントももらえたりしますよ。
ぜひ月曜日にはすだちキッチンに行ってみて下さいね。