
大澤家庭的保育室【家庭的保育事業】
温かな保育を
大澤家庭的保育室は、小金井公園に近い玉川上水沿いの住宅街の中にあります。
出迎えてくださったのは、大澤先生と、その娘さんの亜紗美先生に、サポートの遠藤先生、
そして、元気な子どもたち。
サンルームからのやわらかな陽射しが入るお部屋で、
まずは、朝のあいさつを全員でしました。
次に、出席をとります。大澤先生が名前を読み上げると「はい」と大きな声で、
子どもたちが、返事をします。
続いて、先生から「今日は、ここまで誰と来ましたか」と聞かれた子どもたち。
「お母さんと車できたよ」
「ぼくは、ママと自転車に乗ってきたよ」と、ひとりひとり、お話します。
それから、「トマトはトントントン」や「おおきなくりのきのしたで」を歌って、手遊びをしました。
だんだんと、子どもたちの調子が出てきたところで、「今日の先生」を決めます。
「今日の先生」は、その日の子どもたちのリーダーです。
リーダーは、おやつや食事のときに「いただきます」の声かけをします。
じゃんけんで勝った子が「今日の先生」に決定。
「おてて、はいけん。いただきます」と声をかけ、みんなの手がきれいか確認して、おやつタイムになりました。
今年度は、0歳児がおらず、子どもたちの年齢も比較的近いため、
家庭的保育室を卒園した後の保育園や幼稚園での生活を、少し意識して取り組んでいるとのこと。
子どもたちのこれからを、よく考えてくださっています。

クリスマスケーキ作り
よく歩くこと よく遊ぶこと
おやつを食べ終わると、子どもたちは、外遊びに出かける準備を始めました。
トイレに行って、靴下をはいて上着を身につけます。
先生たちにお手伝いしてもらうところもありますが、どんどんと自分で出来ることはしていき、あっという間に準備完了。
さあ、出発です。
緑道になっている玉川上水沿いの遊歩道は、みんなの大好きなお散歩コースです。
この時期は、枯れ葉を踏みしめて音を楽しんだり、きれいな落ち葉を拾いながら歩きます。
春夏秋冬、その時々の自然に触れながら、お散歩を楽しんでいるそう。
ゆっくりと進む子にあわせる、大澤先生——。
駆けて行く子についていく、亜紗美先生——。
中間のペースの子と歩く、遠藤先生——。
少人数だからこそできる、きめ細かな対応です。
時折、先に進んでいた子どもたちが、遊歩道脇のベンチに座って、ゆっくり進んでくる子を待っています。
子ども、ひとりひとりの興味やペースを大切にしながら、
仲間と一緒に行動することの大事さもわかってほしいからと、みんながそろう場所を決めているそう。
農家の野菜直売所で、収穫された野菜や果物を見せてもらったり、
石屋さんの店先のお地蔵様にお願いごとをしたりする姿も可愛らしく、
お散歩の中にも様々な学びがありました。

秋のミニ遠足

駅まで電車を見に行きました
お散歩のゴール、御幸地域センター公園に着きました。
わーっと、公園の中に走っていく子どもたち。
すべり台を楽しむ子に、ロープの電車の運転手さんになった子もいます。
お砂場では、おもちゃの貸し借りから仲良くなった、近所に住む親子と一緒に砂のケーキを作り始めた子も——。
思い思いに遊ぶ子どもたちと、一緒に遊ぶ先生たちも生き生きしています。
お散歩コースだけでも、たくさんの距離を歩いた子どもたちですが、
その後でも、元気いっぱいに遊べる体力に、感心します。
大澤家庭的保育室では、『よく歩くこと・よく遊ぶこと』をとても大切にしているとのこと。
子どもたちは、たっぷりとからだを動かして、体力をつけていくのだなと感じました。

お砂場遊び

みんなで、先生にゴール!

太鼓橋、頑張れ!
お昼の時間が近づき、帰りは近道で、保育室に戻ります。
お部屋に入ると、給食担当の山田さんが、温かいご飯を準備して待っていてくれました。
アレルギー対応の給食が、可愛らしい花型カップを取り入れた配膳で用意されています。
よく遊んだ子どもたちは、おかわりもして大満足でした。
そして、お昼寝の時間、子どもたちはお布団に入ったとたんに眠りに……。

お芋ほり
シンプルな保育だからわかること
大澤家庭的保育室の保育は、とてもシンプルです。
子どもの体調や天候に合わせて、よく歩く、そして、いっぱい遊ぶ。
からだをたくさん動かした後は、おいしくご飯を食べる。そして、しっかりと休む。
シンプルな保育だからこそ、子どものその日の体調だけでなく、心や気持ちが良く見えると大澤先生は言います。
保育室に来る前に、自宅で兄弟げんかをした子。
お母さんが忙しくて、ちょっと寂しい気持ちでいる子。
何か、心に抱えている子どもは、保育中の行動に変化があるそう。
例えば、今までできていた事が、急にできなくなったり、怒りっぽくなったり……。
どうして、そうなったのかを理解することで、その子が求めていることに寄り添うことができます。
だから、大澤先生は、お母さんたちとの毎日の連絡帳やLINE、お迎えの際などの交流に、力を入れているそう。
保育時間以外の子どもたちの様子を知ることや、お母さんたちの育児の相談にのることで、
子どもたちの心のゆらぎにも気配りをされています。

たてもの園で…

みんなのお気に入りの椅子
感謝の気持ち
行き届いた保育をしてくださる大澤先生は、ふんわりとした笑顔の優しい、とても親しみやすい方です。
そのキャリアは、より専門的な理解が必要とされる多様な子どもたちの保育で築かれました。
武蔵野東学園幼稚園で自閉症クラスを新任で担当され、3年間勤務した後、
小平市の加配保育士(規定の保育士人数にプラスして配置される保育士。その役割は、障害を持った子どもが支障なく保育園生活を送るための個別の配慮を行い、生活を助ける)
として働かれるかたわら、ご自身のお母様の介護をするように……。その後、所沢の児童館や保育園で保育に携わり、お母様の最後を看取られました。
その時、これまでを振り返って、お母様にご自身の子育てを助けられ、仕事を続けられたことに、改めて感謝の気持ちが湧き上がったそうです。
その感謝を誰かに返したいと始められた保育ママから10年が経ち、より良い保育にしたいと、平成31年4月からは、家庭的保育室へ——。
細やかな気配りと、子どもたちが持つ多様性に対する理解に基づいた保育。
大澤先生と出会えた親子たちは、感謝しているに違いありません。
とても温かな気持ちになれるステキな保育室でした——。

左から、遠藤先生、亜紗美先生、大澤先生、山田さん

親子遠足(ジブリ美術館)
詳細情報
名称 | 大澤家庭的保育室 |
---|---|
地図 | |
住所 | 〒1870012 小平市御幸町118-8 |
電話番号 | 042-324-2969 |
営業(開業)時間 | 開所時間 8:00~18:00 基本保育時間 8:30~16:30 |
休業日 | 土日祝日 年末年始 |
このサイトの記事は、研修を受けた子育て中の市民編集委員が、市民目線で取材をして作成しています。市民ならではの新鮮な情報をお届けしたいという趣旨のもと、基本的には編集委員の作成した記事に大きな変更を加えず掲載しています。記事内容については、編集委員の主観が入っている場合もあります。また、記事の情報は取材時点のものです。あらかじめご了承ください。