トイレトレーニングはいつから、どうやって進めればいいの?保育士さん・保健師さんに聞いてみました!
トイレトレーニングは、子育てをする中でぶつかる大きな壁のひとつ。
「周りの子はオムツが外れているのに、うちの子はまだ…」「もうすぐ幼稚園入園。早くトイトレしなきゃ!」と焦るママもいるでしょう。
私(=筆者)自身も、子どものトイレトレーニングに苦労したひとり。失敗した子どもについ怒鳴ってしまうこともしばしばでした。
そこで、どうすればトイレトレーニングをうまく進められるのか、保育士さんと保健師さんにインタビューしてきました!
保育園ではどうやって進めてる?
「保育園っ子はオムツ外れが早い」という噂を聞き、気になっていた保育園でのトイレトレーニング。園ではどのように取り組んでいるのでしょうか。
今回取材を受けてくださったのは、小平市仲町にある、いやなが保育園の宮田園長先生。4人のお子さんのママでもあり、幼稚園教諭のご経験もある子育てのエキスパートです。
いやなが保育園のご紹介はこちら→まるで実家のよう!子どものための快適な空間
Q.保育園ではいつからトイレトレーニングを始めますか?
A.園での生活やおうちで次のような様子が見られるようになったら、徐々に始めます。
①排尿の間隔が開いてきた
②おしっこ・うんちの直前にサインを出している
・顔に力が入る
・しゃがんだり、中腰になる
・カーテンなどの物の陰に隠れる
③オムツの中に排尿・排便したことを気にするようになった
・じっと止まる
・泣く
・出ちゃったと教える
Q.どのように進めていますか?
A.活動の区切りの時にトイレに促します。時間の間隔は30分くらいです。
・ご飯の前後
・散歩前
・昼寝後⇨オムツが濡れていなければ、膀胱におしっこが溜まっています。成功する確率が高いとき!!
お家だと、お風呂の前はスムーズなようですよ。
●遊んでいる途中でおしっこ・うんちのサインがあったとき
→トイレから戻った後にも、ゆっくり遊べることを話してトイレに誘っています。
●オムツに排尿・排便したことを知らせてきたとき
→「教えてくれてありがとう」と安心できるように言います。排泄の後始末をしたら、オムツや布パンツを付ける前に、便座に座ることをすすめてみます。排泄は、「便器に座ってする」ということがわかるように、「今度は出る前に教えてね」と言葉をかけます。
Q.子どもがトイレに行きたくなる工夫はしていますか?
A.トイレやトイレに行くまでの床に絵を貼ったり、指人形と一緒にトイレに連れて行ったりと、その子の状況に合わせた工夫をしています。
左:トイレのタンクにアンパンマンの絵が貼ってあります。「アンパンマンに会いに行こうね」とトイレに誘うんだそう。
右:自分でオムツやズボンを脱ぎ履きできるコーナー。「大人が正座したときのひざくらいの高さの台を置くと、ちょうどいいです」とのこと。
Q.成功したとき・失敗したときは、どのように対応していますか?
A.成功したとき:便座に座っただけでも、拍手喝采です。
失敗したとき:失敗感が他の子に伝わらないように、「今度、また教えてね」といいますが、無理しない状況に配慮します。
Q.オムツと布パンツの使い分けはしていますか?
A.園では、お散歩とお昼寝のときはオムツ、園内で過ごすときは布パンツと使い分けることもあります。お散歩中はすぐに替えられませんし、周りの子も近くにいて失敗感を感じるので、オムツに。また、お昼寝のときも、安心して眠れるようオムツにしています。
子ども自身が「お散歩のときも布パンツで大丈夫!」と思えるようになったら、外出時も布パンツにします。
Q.保育園に通っていなくても相談できますか?
A.できます。しかし、コロナ禍ではお預かりしているお子さんとの接触がないように配慮することが必要だと思いますので、ご相談ください。いやなが保育園では園児以外でもLINE(通話、文字)での相談も受け付けています。
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宮田先生は仰います。
「トイレトレーニングは、
トイレトレーニングにまつわる疑問…保健師さんに聞いてみました!
続いて、小平市健康センターの保健師・星野さんにトイレトレーニングにまつわる疑問をお伺いしました。
星野さんは、二人目のお子さんがまさにトイレトレーニング真っ最中だそう。
Q.トイレトレーニングは何歳頃から始めるのがいいのでしょうか?「3歳になってから」「昔は2歳で外していた」など、いろんな意見があって迷います。
A.いつ始めるのが良いかは、お子さんの発育状況によって変わってくるので、一概に「何歳から」というのは推奨していないんです。
膀胱に尿を溜めて、それから脳に指令が行って、「おしっこに行きたい」という尿意がわかるようになる。その一連の流れが整わないと、あまり早く始めても成功率が低くなってしまいます。
Q.「トイレトレーニングは夏にするのがいい」とよく聞きますが、秋〜冬に始めてもいいでしょうか?
A.確かに冬は寒さでトイレの回数が増えるので、夏の方がおしっこの回数が少なくてやりやすいと言いますね。寒い時期に始めるときは、お部屋を暖かくすると回数も増えなくてやりやすいです。
秋冬にトイレトレーニングを始めてもいいと思いますよ。
Q.おすすめのトレーニング方法はありますか?
A.まず、子どもにとって一番嬉しいのは、お母さんが褒めてくれることです。成功したときに「すごい!上手にできたね!」とお母さんがうんと褒めてあげると、嬉しいし、子どもの自信に繋がります。
それから、ご褒美や達成感があると心の意欲になるので、ご褒美を用意してあげるのもいいと思いますよ。
ただ、お子さんの個性によって、その子にあったやり方は全く変わってきます。シールが好きな子にはシールを用意してあげたり、うんちがなかなかできない子だと、踏ん張れる環境を整えるとうまくいったり。お子さんによってさまざまですね。
健康センターでは、ご家庭での様子も聞きながら、その子その子の状況に合ったやり方をご紹介していますよ。
小平市健康センターでは、「お母さんとお子さんの健康相談」や「たんぽぽ広場」などでトイレトレーニングの相談ができます。
Q.失敗すると、つい子どもを怒鳴ってしまいます。やっぱり良くないでしょうか?
A.私も経験があるので、よく分かります。毎日忙しい中でやっているので、お母さんがイライラするのは当然ですよね。
だけど、そこで叱ってしまうと、悪影響になりやすいんです。大人が思っているより大人の言葉って、子どもに響くんですよね。怒られると、自信を失くてしまって、「トイレに行ってみよう」という勇気がなくなり、心が折れやすくなってしまいます。
怒鳴ってしまうときは、お母さんのイライラの原因(疲れなど)を解消できるような方向にシフトできるといいかもしれませんね。
Q.オムツ外れが早い子・遅い子では何が違うのでしょうか。
A.体格など子ども自身の発育状況はもちろん、兄姉がいたり、保育園で他のお友達に刺激されてなど、周りの環境によっても違ってきます。
最近では3歳までに外れる子は2〜3割、4歳で半分くらいと言われているので、「早く外さなきゃ」と焦ることはないですよ。
Q.せっかくトイレに行けるようになったのに、またオムツに戻ってしまったときはどうすればいいでしょうか?
A.環境の変化でオムツに戻ってしまうこともありますよね。これからトイレトレーニングを始めようという方は、引越しや入園、下のお子さんの出産など、環境が大きく変わる時期は避けた方がいいですね。うまくいかないことが多いし、失敗もしやすいです。
環境が変わってトイレを嫌がるようになったときは、無理して布パンツにしなくていいですよ。例えば赤ちゃん返りの時は、「オムツが履きたい」という気持ちを認めてあげる方がいいですね。そこで布パンツを無理強いしてしまうと、その子の「赤ちゃんに帰りたい」「甘えたい」という欲求が満たされないので、余計に拗らせてしまうことも。
そういう時は割り切ってオムツにした方が、「私・ぼくの気持ちをわかってくれた」と思えます。落ち着けばまた布パンツに戻れるので、暖かく見守ってあげたいですね。
Q.これからトイレトレーニングに取り組むママたちにアドバイスをお願いします。
A.お母さん方、本当に毎日ご苦労様です。トイレトレーニングは長期戦なので、根気も要りますし、うまくいったりいかなかったりだと思います。気長に、お子さんと寄り添いながら、お母さんに無理がないようにやっていってもらうのがいいと思います。私たちはお母さんの味方です!
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いかがでしたか?
「早くオムツを外したいのになんでうまくいかないの?」と気持ちばかり焦り、いつもイライラしながらトイレトレーニングをしていた私(=筆者)。もう少し気持ちに余裕を持って子どもと接することができていたら、私も子どもも前向きに取り組めたのかも、と振り返って思います。
「行きたくなったら行ってみようか」。
それくらいの気持ちで、まずはママの肩の力を抜いてみるのが、トイレトレーニングを成功させるポイントなのかもしれないですね。
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小平市の保育園や健康センターでは、保育士さん・保健師さんにトイレトレーニングの相談ができます。
今回インタビューさせていただいたお二人も、個別での相談をおすすめされています。子どもの様子を見ながら、その子にあった解決策を一緒に考えてくれます。
【相談できる場所】
・小平市立保育園(子育てふれあい広場:現在は電話相談のみ)
※私立保育園については、各保育園に確認してください。
・お母さんとお子さんの健康相談(健康センター)
・たんぽぽ広場(健康センター)
このサイトの記事は、研修を受けた子育て中の市民編集委員が、市民目線で取材をして作成しています。市民ならではの新鮮な情報をお届けしたいという趣旨のもと、基本的には編集委員の作成した記事に大きな変更を加えず掲載しています。記事内容については、編集委員の主観が入っている場合もあります。また、記事の情報は取材時点のものです。あらかじめご了承ください。