
PTA会長だった日々
2019年度、筆者は某小学校のPTA会長を務めました。
コロナの影響で任期が3ヶ月ほど延びましたが
引き継ぎが全て終わった時の感想は「心底ホッとした」そして、
「PTA楽しかった❗️」でした。
子育てをしている人なら確実についてまわるPTA問題。
ひとつの経験談としてお読みいただければ幸いです。
?どうせならストレスなくできることをやろう?
PTA役員…いつかやらないといけないのかな〜
ぐらいにしか思っていませんでした。
きっかけは友人からのお誘い。
どうせやるなら気心知れた人と一緒の方がやりやすいかと思い
やることにしました。
会長に立候補することになるとは微塵も思わずに。
役員をやることにしたのはいいが、問題はどの役職に就くか。
PTA役員の選出方法は学校によって違いますが、
うちの学校の場合はクラスで役員を選出した後に
各役職を決める「互選会」が開かれます。
互選会までの数日間は、役職説明が掲載されている広報誌とにらめっこ。
読めば読むほど悩みました。
だってどの役職についてもPC作業がついてまわるから…!
実は私、PC作業がさっぱりできません。
こだちの記事を書くのも毎回一苦労…。
当時はガラケーユーザーで、スマホすら持っていませんでした。
仕事は接客業なのでPCとは無縁の日々。
こんな私がPC必須の役職についてしまったら
絶対まわりに迷惑がかかる…。
さぁどうしよう。
唯一「PC作業は一切ありません」と書いてあったのが会長職。
PTA会長…かぁ…。
「人前で話す機会が多いので抵抗のない方が向いています」とも書いてあり
PCよりそっちの方がいいかも…!と思い始めました。
悩みまくって迎えた互選会当日。
緊張の面持ちで30名ほどの役員さんが集合です。
まず会長決めから。
モタモタ考えてるヒマはない!
会長?できるの?本当に大丈夫?
でもここで立候補しなかったらくじ引きで他の誰かに決まる。
もしその人が半泣きでイヤイヤ就任したら私はきっと後悔する。
えーい!「私、やります!」
一瞬、時が止まり、どよめきと拍手喝采が。
司会進行の前年度会長さんにも驚かれました。
その後のことは慌ただしすぎて…
たくさんの人と連絡先の交換をして
ライングループがいくつもできて
誰が誰だかさっぱりわからないのに挨拶をしまくったことしか覚えていません。
この日が「PTA会長としての日々」の始まりでした。
?会長職って大変??
PTA会長って、何か起こった時に
「校長先生!これは一体どういうことですか⁉︎」
とか叫びながら学校に乗り込んでいくようなイメージしかなかった私。
学校に対して文句をつけるような立場なのかと思っていましたが
そんなことは全くありませんでした。
私が経験したPTAでの会長の仕事は
・委員会での挨拶
・打ち合わせの進行
・PTA配布物の確認と通し番号付与
・関わる組織の会議への出席
主な仕事はこれくらいでした。
もちろんここに書かれていること以外の仕事もありましたが
想像とはだいぶ違ったように思います。
放課後子ども教室やボランティアの管理など
学校で起こる全てのことに関わらないといけないのかと思っていましたが、
実際はそんなことはなくてPTAの運営の仕事だけでした。
何か困ったことがあれば、必要に応じて学校側との相談や確認などのやり取りも。
コロナの影響による一斉休校もあったため
その時期は社会の動きに合わせて学校と連絡を取りました。
そんな中で先生方のプライベートを少し垣間見ることもできて
「先生も学校を離れると普通のじぃじばぁばなんだな〜」と
微笑ましく思い、親近感を覚えました?
そもそもPTAは「教職員と保護者のための会」。
先生は「役員さんたちの負担をできるだけ減らしたい」と言ってくれていたし
こちらは何かあればすぐ先生に相談できたし
子どもたちの学校生活を共に支えてくれているのを実感できました。
??得意不得意は人それぞれ?
PTA会長をやっていることを話すと、多くの人から
「えーすごいね!」「大変でしょう!」
という反応が。
正直言うと、想像よりも楽だったので
「意外と大変じゃないのよー?むしろ楽しいかも」
なんて返事をしていましたが、誰にも理解されず。
大変と感じるかどうかはその人によるんだ、ということに気付いたのは
新会長に引き継ぎをした後でした。
私が経験した会長職は本当にPC作業は一切なく
「人前で話すこと」が主な仕事。
委員会での挨拶だったり、打ち合わせの進行だったり、
行事の時は全体に向けて指示を出したり。
私は人前で話す事には全く抵抗がない上に
昔から「全員で何かに取り組む」ことが好きだったので
PTA会長の仕事は私にとっては楽しいことばかり。
(逆に、人前で話すことが苦痛な人や集団が苦手な人にとっては
地獄のような仕事ではないかとも思います?)
もちろん、大変なこともたくさんありました。
ストレスによる胃の激痛に襲われて夜中に眠れなくなったことも。
そういうこともすべてひっくるめて
「PTA楽しかった!」
と言えるのは、自分でやれる事を自分で選んで
精一杯やりきることができたからだと思います。
?PTAって必要なの??
PTA廃止の意見も聞かれる昨今。
PTAのあり方についてのニュースを見かけることもありますが
悪い話が多い印象です。
私も以前はそれを間に受けていましたが、今では
「こういう所もあるんだ〜大変だね〜」と
客観的に見られるようになりました?
私の意見としてはPTAは必要です。
PTA役員は、子ども達が安全に学校生活を送るための役割を
多く担っています。
うちの学校の場合は
教職員の方々を紹介する広報誌を発行する「広報」
通学路の安全の確保や、もしもの時に身を守る方法を紹介してくれる「防犯」
地域の方と一緒に行事等を運営する「青少対」
などがそれにあたります。
PTAが廃止されればその役割はどうなるのでしょう?
その役割自体が廃止されるか、必要に応じてボランティアを募るか、
すべて学校側で負担するようにするか…
いずれにしろ学校側への負担は増え、子どもたちへの良くない影響も考えられます。
とは言っても、子育てに加えて家事に仕事に介護に忙しいお母さんたち。
そんな中でPTAなんてやってられない!と思うのは当然です。
そもそも役員仕事とか面倒だし、やれる人がやってくれたらいいじゃない?
という方も多いかもしれませんね。
でも私自身も、私のまわりの経験者たちも
「PTAやってよかった!」
という人が多いです。
理由はそれぞれ異なりますが、私は
「全学年に知り合いができた」
ということが一番の収穫でした。
ちなみに2020年度は、コロナの影響で任期が短くなり、
行事はほとんど中止になったためか、クラスごとの役員選出もスムーズで
ほとんどの役職が立候補で決定したためくじ引きの出番なし
という驚きの展開となりました。
特に本部役員は
「くじ引きで当たって悲壮感たっぷりに就任する」
ということもあると思いますが
本部役員全員が立候補だった今回はそういう雰囲気が一切なく
むしろ前向きな雰囲気が感じられて、引き継ぎをするこちらも
気持ちが良かったです。
来年度の役員選出が終わった人も
これからという人も
もう少し先のことだからあまり考えてないという人も
これから新しい任期が始まるという人も
子どもがお世話になっている学校への恩返しだと思って
あまり悪いイメージを持たずに
積極的に関わってくれたらいいなぁと思います。
お子さんを持つ方なら誰しもいつかは直面するであろうPTA問題。
この記事はあくまで筆者が体験した状況を筆者の目線で書いたものです。
小平市は小学校の数が多く、各小学校で状況は異なるはずです。
また、小学校PTA連合会(小P連)に加入しているかどうかで
役員の仕事内容は大幅に変わるようです。
(この記事は小P連不加入の学校での体験記です)
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