動物好きもコーヒー好きも、大人も子どもも楽しめる
café & wildlife gallery「遊歩堂珈琲」
「遊歩堂珈琲」は、動物好きにはたまらない、ちょっぴりユニークなカフェ。
西武拝島線「東大和市」駅から徒歩3分、小平方面へ向かう青梅街道沿いに面した場所にあります。
↑遊歩道にも程近い立地。この先にはブラックサンダーで有名な「有楽製菓」の直営店がある通りです。
中で出迎えてくれるのは、カメダ店長(クサガメ・16歳・オス)
店長とサシでお話できる特等席も用意されています。
↑人懐っこいので、触っても大丈夫!(※その後はよく手洗い・消毒をしてくださいね)
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遅咲きの動物研究家がカフェのマスターに
店内は動物や野鳥の写真で彩られています。ほとんどは店主・里中遊歩さんが撮影したもの。
里中さんは動物研究家としても活躍しています。著書・監修本も多く、メディアにも出演されているので、テレビで見掛けたことがある方もいるかもしれません。
↑店主の里中さんと、社員スタッフのユイさん、そしてカメダ店長!
40歳までは会社員だったという里中さん。趣味で写真を撮るうちに、野生動物に目が行くようになったといいます。
独学で学びながらフィールドワークを重ねていましたが、「このまま会社勤めをしていては研究する時間がとれない」と一念発起して退職。様々な試行錯誤や偶然の出会いから、動物の専門家に学び、研究者の道を歩き始めたのは42、3歳の頃でした。
「普通の研究者からすると僕は20年以上遅れているし、それだけ知識量も圧倒的に少ない。そのことを悩んだ時期もあった」と話す里中さんですが、40歳まで一般の側にいたからこそ、できることがあると気づいたのだとか。
「専門家の講演を聞きに行くと、せっかくいい話をしていてもお客様にはおもしろさが伝わらないことが多いんです。一般の方と専門家の間に壁がある限り、すそ野が広がらない。そこを繋ぎとめるのが僕の役割だと思って活動しています」
誰にもわかりやすい語り口、専門知識がない人にもおもしろさが伝わる動物の話は、各地のイベントや講演会で大好評でしたが、来てくれた人たちと話せるのは大抵その場限りです。
「いつでもまた好きなときに来てもらえる環境を作りたい」という思いで、2021年2月にこのカフェをオープン。「喫茶店のマスターをやるのもいいな」「いつか自分の店を持てば、空き時間に執筆できる」と密かに思い描いていたことが形になりました。
↑ゆとりのある店内は、ベビーカーでの入店もOK!
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動物カップで飲む、胃にやさしいコーヒー
ホットコーヒーを注文すると、かわいい動物のカップで出てきました。絵本の世界から飛び出してきたみたいで、耳をすませば楽しいおしゃべりが聞こえてきそう。どの子になるかはお楽しみです(でもリクエストもOK)。
↑遊歩堂コーヒー〈hot&iced 各500円(税込)〉はお菓子つき。オリジナルのカップは東大和市で活動する『陶工房遊子』の作品。フクロウ、ニホンリス、ホオジロムササビ、ハリネズミの4種。各2200円(税込)で販売もしています。
コーヒー豆は現在、厳選した1種類を自家焙煎。豆だけの購入も可能ですが、ぜひ一度はお店で飲んでほしい! コクがあるのにスッキリした味わいが特徴で、水出しコーヒーに近い印象。ホットで注文したものも、冷めてもおいしさが変わらないことに驚きます。
その秘密は、コーノ式かなざわ珈琲ドリップ法。通常ドリップする量のうち、最初の1/3だけを抽出し、残りの2/3にはお湯を注ぐ淹れ方です。コーヒーに含まれるタンニンなどの酸味や雑味は、じつは最初の1/3以降に抽出されるので、これを思い切って捨てることでまろやかで深みのある味わいになるのだそう。
↑取材中、最初の1/3だけ抽出する淹れ方のあと、その残りでドリップしたものを試しに飲ませていただきました。酸味が強く、正直なところ……まずいコーヒーの味!!!
「コーヒーが好きすぎて、1日20杯飲んでいたら胃を壊してしまった」という経験がある里中さんですが、この方法で淹れた珈琲なら何杯飲んでも大丈夫だったといいます。
「タンニンは胃を刺激するので、弱い人は傷めてしまう可能性があるんですね。でもこの方法で淹れたコーヒーに出会い、これなら大丈夫だとわかって、自分でも淹れ方を練習するようになったんです」
お店を始める10年前のことでした。
↑「かなざわ珈琲世田谷店」(現在は閉店)店主にしてコーヒー界のカリスマ、金澤政幸氏の教え。淹れ方が記載されている著書は、「遊歩堂珈琲」でも読むことができます。
「遊歩堂珈琲」では、お湯や水で割って飲める濃縮タイプ〈250ccボトル(4~5杯分)770円(税込)〉も販売中。
カフェオレ〈hot&iced 各600円(税込)〉、アフォガートやコーヒーゼリー、チーズケーキなどのデザートにも使われています。
↑遊歩堂特製コーヒーゼリー バニラアイスつき〈500円(税込)〉
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フィールドワークで改良を重ねた人気の食事がフードメニューに
フードメニューは、里中さんがフィールドワーク(動物調査)中に食べてきたものがベース。
「山の中に数日こもるときは、初日にまとめてカレーを作り、2、3日間食べ続けるんです。せっかくならおいしいものを食べたいので、10年ほどかけて改良を重ねてきました。さらにお店用に改良したのがこのカレーやパスタです」
↑遊歩堂カレーライス〈700円(税込)〉。水を使わず煮込んだ濃厚なカレー。甘口・中辛・辛口が選べます。
↑遊歩堂ナポリタン〈700円(税込)〉こちらも濃厚な味。絶対、子どもウケもよさそう!
↑遊歩堂ピザトースト〈500円(税込)〉 ホットサンドスタイルなので、具がこぼれず片手でも食べやすい。どの食事メニューにも、「試行錯誤の末にこの味にたどり着いた」という絶品のコーンスープ(写真右)がつきます。
フードメニューは全て、ドリンクをつければどの時間帯でも200円引きになります。
オープン当初は2種類だったデザートメニューも、現在は6種類。
料理が得意な方、パティシエ修行中の方がスタッフに入ってくれたこともあり、コーヒーに合うメニューの開発が進みました。
↑遊歩堂特製2色スコーン〈500円(税込)〉。プレーン、コーヒーの粉を練り込んだ2種類の味に、濃縮タイプのコーヒーにマシュマロを溶かした特製ソースと、ブルーベリーソースつき。
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子どもが楽しめるイベントも。大人にも、忘れていた気持ちを思い出してほしい!
「遊歩堂珈琲」には、動物研究家としての里中さんを知っていてわざわざ遠方から訪れる人も少なくありません。でも、地元の方など、それほど動物に思い入れがない方の利用のほうが多いのだとか。
「子どもの頃はみんな動物が好きだったはずなのに、大人になるといつの間にか忘れていってしまう。その気持ちを思い出してほしい」
そう話す里中さんも、じつは例外ではなかったといいます。
「思えば昔は昆虫好きな少年だったのですが、母親に全部捨てられてから遠ざかってしまって……。志し半ばだったという思いが心のどこかにあったんでしょうね。30代でクワガタを飼い始めたのがきっかけでハマり、自分でも捕まえに行ったり、繁殖させたり……。フィールドに出るようになると野鳥や野生の動物にも目が行き、どんどん興味が広がっていきました」
↑店内には専門書から絵本まで、動物に関する書物が充実。自由に読むことができます。マニアックな調べものをする人、「拾った羽根が何の羽根なのか調べたい」と訪れる人……様々な目的で利用されているそう。
↑里中さんの著書も展示・販売中。
里中さんの動物研究家としてのトークイベントは、不定期でお店でも実施しています。
そのほか、ものづくり体験のワークショップも開催。子どもが集中している間に、ママやパパはゆっくりくつろぐことができそう!
↑プラ板キーホルダー、スノードームが作れるワークショップは、お店の方に声をかければいつでも実施可能。
子育てをきっかけに、子どもと動物の絵本や図鑑を読んだり、久々に動物園に行ったりと、動物が少し身近になりますよね。そこで改めて興味がわいてきた方はもちろん、それほどではない方にもおすすめできるカフェ。
おいしいコーヒーで一息つくもよし、子どもとワークショップを楽しむのもよし、カメダ店長とお話をするもよし! いろいろな楽しみ方が広がりそうです。
★最新情報はInstagram(@yuhodo_coffee)をチェック!
詳細情報
名称 | cafe & wildlife gallery 遊歩堂珈琲 ホームページ メール |
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地図 | |
住所 | 〒187-0032 東京都小平市小川町1-75-4 シティコーポパルナス東大和103号 |
電話番号 | 042-313-2660 |
営業(開業)時間 | 11:00~最長22:00(20:00以降に来店の場合は事前にお電話を) |
休業日 | 火曜日 |
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