「自然食品の店　小平マナ」の店頭には、オーガニック・有機野菜、くだものが並びます。

場所は小平駅南口の「小平駅前ショッピングセンター」。

近隣のスーパーや青果店にはお手頃価格の商品が並ぶ中、ここには１個350円のりんごも!!

「高くてびっくりされちゃうんですが、これは有機農法で作られたもの。りんごではとてもめずらしいんですよ」

と、やわらかな笑顔で話してくださったのは、２代目オーナーの秋保てる美さん。

ご主人の洋さんと二人三脚でこのお店を営んでいます。

 

 

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小平で50年以上！　自然食品店の先駆け的存在

 

「小平マナ」は1967年、洋さんのお母様である秋保敏子さんが自宅の片隅で始めた、自然食品店の先駆け的なお店。

18年前に現在の場所に移転するまでは、小平駅の北口で営業していました。

 

初代オーナーの敏子さんは、体が弱かったこともあり、食べ物の質や安全性に対して敏感でこだわりがあったそう。元看護師で栄養学には詳しく、「石油系統の合成洗剤はよくない」などの知識も早くから独学で知っていたといいます。

 

今でこそ、オーガニックや無農薬野菜などが注目され、専門店も増えていますが、半世紀前ともなると、こうしたこだわりを持つ人はまれ。

そんな時代に自然食品のお店を始めることには、ただならぬ苦労もあったと想像できます。

 

敏子さんは休みのたびにあちこちの農家をまわり、農薬汚染の現状を自らの足で調査。

農薬や化学肥料を一切使わない土の力、落葉、枯れ草、雑草などの自然堆肥だけで育てる自然農法の野菜を仕入れるようになります。お店を始めて５年後のことでした。

 

 

その頃からお店を手伝うようになったてる美さんは、敏子さんが亡くなるまでの10年間、いろいろなことを厳しく教えられたと振り返ります。

 

「自然食品のこと、料理の基本……すべて母から教わりました。白砂糖はとにかくやめるように言われました。まずは調味料を添加物の入っていないもの、安全なものに変えるだけで、料理はおいしくなる。味が全然違うんです」

 

食生活を改めようと、すべての食品をいきなり変えるのはハードルが高いもの。

——まずは調味料、そして野菜を選びなおすことから始めるのがいい。

敏子さんからくり返し聞かされていたことを、今はてる美さんがお客様に伝えています。

 

 

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取り扱う商品は500～600種！　アレルギー対応食品も

 

店内にはさまざまな食材や調味料、お茶、お菓子、石鹸、洗剤、化粧品などが所狭しと並んでいます。スーパーでは見かけない品も多く、新しい発見があって楽しい！

どれも添加物不使用、有機栽培など、安心・安全を第一に作られたものばかり。野菜は少し高くても、ひと味違うおいしさで、皮も根っこも丸ごと食べきれます。

小さくても良心的な生産者とお客様の橋渡しをすることで、昔ながらの伝統的なものも守っていかなければという思いもあるといいます。

 

 

商品の数は、ざっと500～600種類！　仕入れを担当するのは、元・自然食品メーカー勤務の洋さん。

「お客様のほうがよくわかっているから。いつも買っている商品が切れていると教えられることも。お客様に助けられています」と笑います。

 

小麦を使わないみそやしょうゆなどの調味料、乳製品・卵を使わないお菓子やパンなども販売。

食物アレルギーに悩む人や小さな子連れのお客様も多く、アレルギー対応食品を扱っているお店が少なかった時代は、北海道から買い求めに来る方もいたとか。

「お客様のほうが熱心で、よく知っていらっしゃる方が多いので、お客様から学ぶことも多いんです」と、てる美さんも口をそろえます。

 

 

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商品と知識で“未病”をサポートしたい

 

接客をメインで担当するてる美さんは、仕事のかたわら栄養学や料理、マクロビオティックなどを学んで知識を深め、料理の腕も磨いてきました。

「こういうものを使うとおいしい、同じ野菜でも味が全然違うのだということを伝えたくて」と

お店の商品を使ったおすすめ料理や簡単なレシピをブログで発信しています。

 

また、ストレスが多い現代社会。心身の健康に大切なのは、腸のデトックスで悪いもの、不要なものを外に流すことだといいます。

 

「腸はすべての器官の根っこにあるもので、あとは枝葉です。肝臓も、腎臓も、全部つながっているから、腸が元気なら体全体が元気になっていく。そのために大切なのは食生活です。あたりまえのことですが、食べるときはよく噛むこと。これがいちばんお金のかからない健康法かな」

 

病気になってから対策を講じるのではなく、そうなる前に、病気にならないために生活を見直す。

それをサポートするお店でありたいと考える「小平マナ」では、食や健康にまつわる本の貸し出しも行っています。

 

 

料理や食、健康をテーマにした本や雑誌を、「まちライブラリー」として無料で貸し出し。

どれも秋保さんご夫妻の蔵書。本当に良いと思って集めてきたものばかりです。

自由に手に取って、じっくり読みたいものがあったらお店の方に声をかけてください。

 

「体は私たちが食べるものでできています。だからこそ、食はとても大切。

みなさんの健康のお手伝いができればと思っています」

 

先代の思いも引き継ぎ、営業を続ける「小平マナ」。

妊娠・出産を機に、子どもたちの未来のために、これからの健康寿命を意識して……

私たちが食生活を見直そうと思ったときに、力になってくれる場所です。

ふらりと「まちライブラリー」を利用するだけでもOK。気軽にお店をのぞいてみませんか。

 

↑看板はどれも北口時代から使用。グリーンロード側から見える、お店の裏の看板も素敵です。