「遊び切る」力を育む!こむぎえん
幼稚園選び、何を大切に選んでいますか?
子どもが2歳を過ぎるころから、気になるのが幼稚園選び。
「うちの子は引っ込み思案だから、少人数であたたかい雰囲気のところがいいかな」
「たくさん外で遊ばせてくれるところを選びたい!」
など、家の近くなど利便性だけではなく、園の理念や特徴、雰囲気などを踏まえ、子どもにより良いと思える環境に身を置いてあげたいと考える方も多いのではないでしょうか。
今回はそんな幼稚園選びの選択肢のひとつに是非加えてほしい、花小金井の自主保育施設「こむぎえん」をご紹介します。
自由な遊びのなかで、学び育つ力を
こむぎえんは2016年4月にスタートしたばかり。
といっても、その前身はお隣の西東京市芝久保で1979年から長く活動されてきた「たんぽぽ幼児クラブ」。
子どもたちの「やりたい」気持ちや「やってみたい」想いを大切に、自由な遊びの中で自ら学び育つ力を見守るという、たんぽぽ幼児クラブからの保育理念を受け継ぎつつ、こむぎえんとしての新たな道を歩んでいます。
異年齢混合の少人数で保育を行い、「たてわり保育」と「年齢別保育」のどちらも大切に、専任の保育者と親たちの協力によって運営されています。
ある日のこむぎえんに密着!
そんな、こむぎえんの一日に密着取材させていただきました。
現在は年長さん3名が在籍。
そして年少未満の2歳児クラスに4名が在籍しています。
まず、アパートの一室にある、こむぎえんの“園舎”へ。お部屋のなかはたくさんの絵や創作物に囲まれています。
子供たちの絵、力強いなあ!絵本もいっぱい。
朝登園したら、まずは自由遊び。好きなおもちゃを出してきて遊び始めます。
その日の天候などを見ながら保育者と子どもたちで話し合い、活動内容を決めるのだとか。
内遊びと外遊びに意見がどうしても分かれた場合は、それぞれのチームに分かれて過ごすこともあるそうです!
この日は取材があるため小金井公園に行くと決まっていたものの、遊びが楽しくなり、出発予定時間を自分たちで変更。
「時計の長い針が7になったら片付けるんだって」と子どもたちの様子を見つめる保育者の大嶋夏子さん。
そして時間になったら、ほんとに皆でさっと片付け。この辺のメリハリ、さすが!
年長さんという事もありますが、しっかりしています。
手遊びを楽しんだ後は、いよいよ出発準備にかかります。
朝の挨拶も、背筋が伸びて素敵です!
お母さんたちが作ってくれた、日々のものを入れるリュックサック。いざという時に防災頭巾にもなるんだそうです!
こむぎえんのマスコット犬、チャッピーをカートに乗せて、いざ出発!
ゆっくり歩いてこそ気づく、小さな草花や虫たち、緑道沿いの畑で育つ野菜や果樹たち。
散歩の途中にある草花にも興味津々!種がポンと飛び出すのが楽しい♪
途中の直売所で売っていたビワを購入し、目的地の小金井公園へ。緑道歩きも慣れたものです。
もうひとりの保育者、肥後さんと一緒に現地集合で待っていた2歳クラスの子たちと合流。
早速買ってきたビワを皆で美味しくいただきました!
小さい子たちも夢中で食べています。
水分補給して落ち着いたあとは、いよいよ遊び開始!
先生が膨らませてくれたビニールソファは出てきただけで大人気!競って乗り込みます。
子どもたちの傍らでくつろぐ、マスコット犬のチャッピー。
園に来た時にはすでに大人だったらしく、年齢は不詳ですが現在はかなりお年を召しているようです。
今では目も耳も聞こえなくなってしまったとか。
それでもみんなに大切に可愛がられ、他の感覚を活かしてゆったりと過ごしています。食欲もまだまだ旺盛!!
虫を捕まえたり、お料理してみたり。思い思いに、集中して遊び続ける子どもたち。
皆で楽しいお昼ごはん。そのあとはお昼寝する子も。
この日は4人のお子さんがたんぽぽ幼児クラブで育った(正確には、4番目のお子さんはたんぽぽ幼児クラブの閉園に伴い最後の1年を他の幼稚園で過ごしたそう)という先輩ママさんが補助に入られていました。
「少人数ということもあるけれど、子どもたちの育ちを同じ保育者の方が3年間見守っていくという環境はとてもありがたく、貴重だった。大切な幼児期をどういう環境で子どもに育ってほしいか、これから幼稚園を選ぶママたちがもっと多様な選択肢を考えてくれたらいいな」と熱い思いも語ってくれました。
みんな2歳児さん。誰が乗るか、ひっぱるかで、交代してみたり、たまらず言い合いをしてみたり。
そんなときも、大人たちは手や口を出さずに、少し離れたところから様子を見守ります。
結果、子どもから大人に言いつけたりすることも、誰も泣くこともなく、また仲良く遊び続けました。
子どもの持つ力を信じて見つめることの大切さを、改めて教えてもらったような気がしました。
子ども一人ひとりの育ちを大切に、2歳からの4年間を見守っていく
元気に素直に、そして自分のすべきことをきちんとできる子どもに育っているなあ、というのが、今回の取材を通してみたこむぎえんの子どもたちの印象でした。
特筆すべきは、こむぎえん全体に流れる、なんともあたたかく心地良い雰囲気。
それは気負わず子どもたちのもつ力を信じて見守る保育者の方々と、それを支える保護者の方々が醸し出す空気から生まれているのだと思います。
「こむぎえんは、なにも特別なことをしているわけではありません」と、これまで多くの子どもたちの育ちを見守ってきた大嶋さん。
「小平の地域に根差した生活環境のなかで、子供一人ひとりの育ちを大切にしたいと思って保育をしています」
「やりたいことを目一杯やってきたからこそ、年長になったらたくさんの課題に取り組めるんです。苦手なことも得意なことも仲間と一緒に取り組みます。心も身体もやわらかいこの時期だからこそ苦手な事にもたくさん挑戦してほしいと思います。そんな世界を広げてあげることが大人の役割かなあって思っています」
「良いことも悪いことも、いっぱい話し合います。その時その場面で、心で感じ頭で考えたことを、それぞれの立場で、好かれても嫌われても本気で伝えようと思っています」
と、素敵な言葉で保育への思いを語ってくれました。
こうした視点は、たんぽぽ幼児クラブ時代からの保育理念として引き継がれているものなのだそうです。
年長の夏には奥多摩のキャンプ場にお泊り合宿へ!その前に各自が作成する合宿Tシャツを着ることで、がんばりマンに変身できるんだとか。
たんぽぽ幼児クラブで育ったという大嶋さんのお子さんたちはすでに独立されていますが、社会に出た後も、しんどいときほど、たんぽぽ時代の仲間と会っているとか!
根っこの部分が同じ者同士、言葉にせずとも分かり合える部分があるのでしょうか。
こんな小さいうちから一生ものの仲間ができるって、すごいことですね。
花小金井を舞台に新しく始まったこむぎえんで、これからどんな子どもたちが育っていくのか、とっても楽しみです!
多様な預け方も応相談です!
こむぎえんでは、水曜日は図書館へ行き絵本を借りてくる日、木曜日には地域センターを借りてヨガ体操、リズム遊び、ボール遊び、体幹体操等をしているそうです。
日々の歩きや外遊びで体を強くするだけでなく、文字に親しみ、柔軟な体を作る機会もきちんと用意されています。
入園後は通常保育のほかに、他の幼稚園同様「預かり保育」も実施しており、忙しい保護者の方にも安心です。
また、年少さん未満の2歳児クラスもあり!
未就園児とはいえ心身ともにダイナミックに成長するこの時期、日々子どもとどう過ごそうかと悩むお母さんたちは要チェックです!週1日から、応相談。
さらに、「一時預かり」や「短期入園」制度もあり、短時間子どもを預けたい場合や、産前産後の里帰り出産や一時帰国で短期入園させたい場合など、要望に応じて個別に相談することも可能です。
興味を持った方は是非お気軽にご相談や問い合わせをしてみてくださいね!
ちなみに、未就園児をもつ親子を対象にした共育ちサークル「こむぎっこ」は、こむぎえんに子どもを通わせているママたちが立ち上げています。毎月いろんな活動をしていますので、地域センターや公民館などに設置されているチラシをチェックしてみてください♪
詳細情報
名称 | こむぎえん |
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住所 | 小平市花小金井南町 |
電話番号 | 042-469-7070 |
営業(開業)時間 | 月曜~金曜日、9:00~14:00 |
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