「ふれあい下水道館」でディープな体験!
小平市内の下水道普及率が100%に達したのを機に建てられた「ふれあい下水道館」。
本物の下水道の中を見学できる施設としては国内初だとか。
――普段はあまり意識することのない下水道の大切さや奥深さがわかる
――小平の水環境の歴史も学べる
ということで、市内外の小中学生をはじめ多くの団体も訪れるそうです。
といってもお堅い雰囲気ではなく、気軽に楽しく見て回ることができる工夫がいっぱい!
今回は、小さなお子さんでも十分楽しめそうなポイントをご紹介します。
水の生き物たちがお出迎え
入口に向かうまでの間に、さっそく見どころが。
建物の周りが、湿地帯を再現した小さな池になっているのです。
よくみるとたくさんの魚が泳いでいますし、私がお邪魔したときには、カエルの卵も見られました。
夏には池の底にいるザリガニ目当てにやってくる子どももいるそうです。(でも捕らないでね)
建物に入ると、1Fはエントランスホールになっています。正面に大きな水槽があり、こちらでは渓流にすむ魚たちを観察できます。
地層を見ながら階段を上り下り
まず地下へ向かいます。
階段室で目に留まるのが、地下5Fから地上までの長ーい柱!これは、この施設の工事中に掘り出した土を復元した標本なのだとか。
地上から近い部分は黒土です。学校で習った「関東ローム層」ですね。
階段をしばらく下りていくと、石ころがごろごろ出てきて、様子が変わっていきます。大昔、このあたりに多摩川が流れていたことや、海の底だったことがわかるそうです。
階段の途中には、多摩川で見られる水草の標本やガリレオ・ガリレイ温度計も展示されていて、一息つくことができます。
下水をきれいにしてくれる微生物を観察
地下1Fの講座室では、微生物の様子を職員の方がプロジェクターで見せてくれます。
微生物には、下水の中の汚れを餌にして、水をきれいにしてくれる働きがあるとのこと。
「ふれあい下水道館」の中にも微生物を飼っている水槽があり、そこから汲んできた水を観察します。
下水の状態は日によって違うので、見られる微生物も変わってくるのだとか。
あまりなじみのない微生物ですが、「水をきれいにしてくれているんだ」と思うと、何だかありがたく見えてくるかもしれないですね。
こちらでは、時間帯によってはビデオが上映されていて自由に鑑賞できますが、団体貸切のため入れないこともあります。
オブジェや立体的な映像など、ちょっと不思議な空間も
地下2Fの入口はインパクト大!トイレで新聞を読んでいる人や、お風呂で遊ぶ子どものオブジェなどが目に飛び込んできます。
小平市の下水がどこへ流れていくかを説明する展示の一部でした。
中に入ると、「江戸の下水道」の文字の下にボタンがついた装置が。
これは「マジックビジョン」といい、ジオラマと映像が重なって見えるおもしろい装置です。
江戸のほか、明治や現代のものもありますので、ぜひボタンを押して解説を聞いてみてくださいね。
地下3Fでは、小平市の水環境の歴史がわかる展示があります。市内にあったという「まいまいず井戸」の模型などから、水の少なかった頃の苦労がしのばれます。
地下4Fは、イベントや特別展などで使われるフロアになっています。
いよいよ本物の下水道管の中へ!ドキドキの体験
地下5Fには、こちらの最大のウリである「体験コーナー」があります。
水量や有毒ガスなどの測定が常に行われており、警戒区域を超えると警報が鳴るようになっています。
室内からさらに階段を下り、頑丈な2枚の扉の奥に、直径4.5mもある本物の下水道管が!
管内にステージをかけ、内部を直に見学できるようになっています。
意を決してステージに出てみました。
この日は思ったよりにおいはきつくなく、少しほっとしましたが、水面を凝視する勇気はありませんでした……。
下水道管の上流も下流も真っ暗で、吸い込まれてしまいそう。
「ゴーッ」という音は、近くで下水道管同士が合流し、滝になって流れ落ちている音とのこと。
とにかくすごい迫力です!
見学ステージに手すりはありますが、物を落としたり、お子さんから目を離したりしないようにご注意くださいね。
ゲリラ豪雨時の貴重映像にびっくり!
こちらのフロアまたは2Fの休憩室で、平成27年のゲリラ豪雨のときの下水道管内の映像も見られます。
どんどん水位が上がっていき、先ほど見学した4.5mの下水道管いっぱいに下水が激しく流れる様子に、恐怖すら覚えました。
このとき、天井に取り付けられたライトが壊れてしまったそうですが、大事に至らなくて本当に良かったです。
今話題のマンホールの蓋も展示
視線を落とすと、マンホールの蓋が。
小平市で使われている下水道管やマンホールも展示されています。
マンホールの蓋は、下を流れる下水道の種類によって、デザインが違うのだそうです。
地図のヒントをもとに、珍しい色つきのマンホールの蓋を街中で探してみるのも楽しそうですね。
入場無料!子連れでも利用しやすい設備
これだけ充実した施設ですが、入場無料で気軽に利用できるのがうれしいですね。
電車なら西武国分寺線鷹の台駅から徒歩7分位。
小平中央公園からほど近くにあり、玉川上水がすぐそばを流れているので、子どもとお散歩の途中に立ち寄ってみるのもいいかもしれません。
駐車場もありますので、車でもOKです。
エレベーターはもちろん、1Fトイレ脇のおむつ替えスペースや、各階にはベンチなども設置されていて、子連れには助かります。
2Fは水に関する図書館ですが、休憩スペースにもなっていて、施設利用者はお弁当を持って来て食べることもできるそうです。
イベントや学習講座もチェック
常設展でも十分楽しめますが、イベントや学習講座に参加するのもおすすめです。
特に9月の「下水道の日」に合わせたイベントでは、子どもがよろこぶ体験プログラムが用意されていて、例年大盛況とのこと。
小平市のホームページや市報などをぜひチェックしてみてくださいね。
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じっくり展示を見たくても、小さな子ども連れだとなかなかむずかしいですよね。
そんなときは職員の方に解説をお願いしましょう。ポイントを押さえたおもしろいお話が聞けますよ!
詳細情報
名称 | ふれあい下水道館 ホームページ |
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地図 | |
住所 | 東京都小平市上水本町1-25-31 |
電話番号 | 042-326-7411 |
営業(開業)時間 | 午前10時~午後4時 |
休業日 | 月曜(休日・祝日の場合は、その翌日)・年末年始(12月27日から1月5日まで) |
駐車場 | あり |
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